ホンダを創業した本田宗一郎氏についての本は多くあり、私も以前幾つか読みました。しかし経営面から支えた藤沢武雄氏について本は少ないこともあり、恥ずかしながら一冊も読んだことがありませんでした。
今回はじめて読んだのですが、ホンダといえばやはり本田氏があまりにも有名で、藤沢氏いわば裏方に徹していた人です。このような裏方の人は控えめで自分の功績をひけらかすことなく、自分の才能を少なくとも公にはそれほど評価していない人が多いと思います。しかし藤沢氏はそうではなく、自分の経営面での能力を評価していることは以外でした。またそうした自己分析の正しさと同時に、それ以上に本田氏の技術力を高く評価していたために、あれほどそれぞれの領分で力を発揮できたんでしょう。
また間違い・失敗を認め、原因を掴み同じ過ちを繰り返さない、また本田氏がいなくなったときの事も考え会社のシステム作りを早い頃から行っている点では、本田氏より視野が人草木を見通す能力が高かったのかもしれないという印象を持ちました。
ただ『経営に終わりはない』という題名ですが、経営や会社運営の本として読むより、会社の創業に関わった人の半世紀として読んだほうが楽しいですね。