本書の最初、プロローグの冒頭部分に
あるテーマを設定し、それについて調べ、人に話を聞き、最後に纏める技術を紹介するのが本書のテーマである。
と書かれています。実際の内容は、ノンフィクションを書く上で、書名にあるようにどの様に調べ、どの様に書くのか? といった視点で書かれています。当然書かれている例は全てノンフィクションを例にしています。
こう書いてしまうと、ノンフィクション・ライターにしか役に立たない本、といった印象を与えてしまうかもしれません。しかし冒頭やプロローグ全体に書かれているように、物を調べ、それを元にしてプレゼンテーションを含む発表資料などの文章を書く上で、共通した方法論として有益な本だと思います。逆にその意識をもって読まなければ、ノンフィクション・ライターの単なる体験記になるでしょう。
ただ例とした収められている著者自身のノンフィクションが面白く、途中で主目的を忘れることがあります(^^;。
また本書でも取り上げられている『もの食う人々』は、非常に面白いノンフィクション短編集なので、お勧めです。映像で伝わらない、伝わり難い (香りではなく) 臭いが伝わってきます。たとえ同じことを映像で見ても、これだけのカルチャー・ショックは受けなかったと思います。