本の 2/3 は題名どおり、プロ野球の第一線で活躍している/した選手、指導者との対談をまとめた内容が中心。この前半 2/3 は面白い。若干の裏話や、「野球ではどの様なトレーニングや戦術・戦略といった思考が必要か?」が書かれ、こういったことを知っていると、野球を見るときの楽しみが増えると思う。
しかし後半 1/3 は、題名からはずれ現在のプロアマを問わず野球機構が抱える問題を扱っている。そしてここも面白ければ良いのですが、何か物足りない。
これはこの本に限らず、TV などのコメントのときも言えるのだが、二宮さんは、基本的は何時もスポーツを視聴者の視点から描く。その為、選手やコーチ、監督など現場の人とのやり取りを元にした話は、解りやすく、かつ相手に突っ込んだ取材もするので面白い。しかし、その視点が大きすぎて、経済、経営に関わる話になり、取材対象が変わっても視点が変わらず、組織の話となると問題点の把握までは的確だが、「それではどうすれば良いのか?」「表面的な問題に潜む本当の問題は何か?」に欠けた面があって、文章/コメントに迫力が欠ける気がする。