書名どおり、AV 女優を職業として捕らえた時、どういった
- メリット
- デメリット
が有るのか? の本であり、色物として捕らえると間違える。その為、中には卑猥な表現は避けられないが、内容全体としての卑猥さは無い。
本書の末尾付近から引用すれば、
単体としてデビューして企画単体でしばらく活躍して名前が売れた——という成功は AV 女優全体の 5% にも満たないため、もはやお金が目的であるならば AV 女優を選択するのはリスクが高い。収入を目先の短期でなく、5～10 年スパンで考えたならば、多数の人は普通に OL をして、できる範囲で少し副業でもしていた方が収入の総額は高くなるはずである。
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本書は AV 女優でもしようかな? と思っている女性や、娘を持つ親たちに読んでほしい。たとえアルバイト気分でも、職業は現実を知ってから選ぶべきである。
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という状況である。これを読むと、AV 女優を職業として選択するのは止めたほうが良いな、と思う。性行為自体が好きなら、その限りではないが。
これは、別に AV 女優、もっと広く性産業、いわゆる水商売への偏見ではなく、AV 女優が、そのキャリアを生かしにくく、自分の若さなどを切り売りする側面があるため。これは、何も AV 女優に限ったことではなく、工場のライン生産も同様であるが、それと比べても、従事できる期間が短すぎる。その従事できる期間に、生涯賃金を稼げればよいが、そのようなことは殆ど皆無のよう。
しかしながら、自己承認願望・要求・欲求から、この道を選ぶ人がどんどん増え、供給過多であることが、より一層勧められない理由となっている。
以下、いつものように、抜粋。
裸の世界で消費者の男性から支持されるのは、今も昔も性的な匂いのしない素人女性である。清楚で淑やかで淫猥に乱れる姿を想像するのが困難なほど、不特定多数の男性の興奮を誘いやすい。性風俗や援助交際など売春経験のない、欲をいえば高学歴であったり、幸せな家庭人であったり、社会的に認められる履歴があり、居場所のある普通の女性の裸ほど売れる。外見の美しい社会的地位のある女性を巧みに集めて AV 女優という職業に就かせ、カメラの前でセックスをさせれば商品のクオリティは向上して売り上げアップに繋がる。
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誠に男は阿呆である。
テレビや一般週刊誌、スポーツ新聞、グラビアなどに登場して多くの人が名前を知っている AV 女優は単体女優であり、世間では「AV 女優=お金になる」という意識が符丁のように浸透しているが、これはほんの一握りの存在である単体女優を指している。
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露出が多いから、そのような誤解を生むわけか。
企画は企画単体と同じく、ギャラは一日単位。無名であり、自分一人の女優力では販売が見込めない女優の総称である。AV には痴漢、人妻、痴女、SM、レイプ、ナンパ、スカトロなどなど、女優の名前を必要としない様々なジャンルが存在する。企画モデルはパッケージや本編に名前がでることは基本的になく、ときに女子校生、ときに人妻にと七変化しながら、現場から現場へ裸やセックスを売り歩く。名前がでないので基本的には出演を重ねても知名度があがることはなく、当然ギャラも単体や企画単体と比べて安価である。求められる性行為は過激だが、価格は安いという決して成功することのない地位といえる。学生以外の生業があってアルバイト感覚で仕事をしている AV 女優のほとんどは、この企画に属している。
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この世界を望む人は、まずこの点を知るべきだろうな。
女性の裸やセックスは、経験がないほど、汚れがないほど価値が高く、AV 女優は身を切り売りしながら延命するという一面がある。AV 女優はプロの職業でありながら経験するほど価値が下がるという生鮮食品のような商品であり、数ある職業の中でも特殊な性格を持っている。
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まさに、スキル・アップが意味を成さない、自分を切り売りする世界。
最近は面接で評価をされて所属モデルになり、AV メーカーや出版社に何百枚、何千枚という裸のプロフィールが流通してもまったく仕事がない、月の売り上げがゼロ円という企画女優が激増している。
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リスク・デメリットばかりでメリットがなにもない状況ではないか。
モデルプロダクションの面接で、まず見られるのは顔とスタイルである。自身の肉体のすべてが商品であって、面接では売れるか売れないかの判断をされる。
当然、面接場所か別室で、すべてを脱いで裸になることを求められる。全体のプロポーションから肌、乳房の形、乳首の色、尻、ヘアの形状など、売り物として隅から隅までチェックされる。今までの人生でまったく経験がないことで戸惑うかもしれないが、AV 女優は撮影以外でも営業、監督の面接などで常に裸になることを求められるので、これには慣れなければならない。
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AV 視聴者は高齢化しているので、応募の絶対数の少ないオバサンという一見ネガティブな要素も、最近はプラスである。
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同じカメラの前でセックス行為を披露しても単体、企画単体、企画で条件はまったく異なってくるが、基本的に女性はどれだけやる気があってもその分類に口を挟むことはできない。
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女性は売れるか売れないかの商品であり、商品である本人の事情や売りたい希望価格などはまったく関係ない。モデルプロダクションはクオリティの低い商品を高くは売ってくれない。
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最近は三十路を越えた美熟女の注目度が高く、美熟女は逆に性的に成熟している方が好まれる。本当にエロいのかを知るためにその場で愛撫や性感チェックなどをする場合もあり、モデルプロダクションに所属した瞬間から裸や性的行為を含めたすべてが商品となるので、多少理不尽な行為があってもアピールして売らなければならない。企画単体や企画も同じく、メーカーや AV 監督の面接まわりがあり、その場で全裸になってカラダをチェックされるのは当然、さまざまな性に関する質問にも答えなければならない。
AV 女優になった瞬間から自分の裸の写真は AV メーカー、出版社、新聞社、劇場など、あらゆるところにばら撒かれ、誰かと会えば目の前ですぐに裸になることを求められて徹底的に品定めをされる。裸やセックスが彼氏やパートナーとの秘め事であったそれまでの人生では、ありえない日常に突入することになる。
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法律的に灰色でリスクを背負いながら仕事をしているモデルプロダクションは、当然だが利益にならないことは絶対にしない。
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一般企業が進出したり、脱サラをして開業したりする一般人がほとんどいないのは、やはり女性を確保して本番の撮影現場に斡旋するのは非合法だからである。撮影現場で本番をするのは解釈によっては売春防止法に抵触して「公共の福祉に反する」行為なので、あらゆる労働関係の法律に違反をしているという見方ができる。
どうして摘発されないのかというと、AV は警察関係者を確保した審査団体のフィルターを通して「合法」の建前を整えてから流通されるので、AV 業界全体がソープランドやパチンコと同じく、今のところ「必要悪」として成立しているからである。
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売春を合法化したほうが良くないか? その様に、表の成果に出した上で、一般労働者と同じ権利を与え保護する。現状は酷すぎる。
殆どの男は、利用経験が有るにも拘らず。
時代の流れや摘発をする警察の都合など流動性のある灰色のゾーンで常に仕事をしているので、いつなにが起こるかわからないといった危険がある。
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これって最悪の状況だと思うのだけれど…。
また行政が、法ではなく、裁量でどうとでもなる状況は駄目。
モデルプロダクションの起源は、自分の彼女や恋人を非合法メディアである裏本やビニ本に斡旋するヒモ。AV メーカーはビニ本や裏本出版社から発展している。裸の撮影現場への女性の斡旋は元々胡散臭い人物たちによる人身売買行為で、現代の女衒である。
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この状況は、絶対に無くさないと。
モデルプロダクションは、厚生労働大臣の許可をもらえるような合法的な存在ではない。女性たちに支払うギャランティーに法的な規制を受けることがなく、どれだけ出演料から搾取するかが経営の根幹である。よって、女優のギャラに関してはトップシークレットで隠蔽される。働いている女性本人も、メーカーから支払われている金額がいくらなのかわからないのが普通であり、自分が働いた出演料の何%が実際に支払われているのかも誰も教えてくれない。
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お金に関して隠蔽を徹底するのは法律外で運営されているモデルプロダクションの取り分が、厚生労働大臣許可のファッションモデルや一般の派遣労働と比べるとはるかに高額だからであり、AV 女優とのトラブルを回避するためである。
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スカウトマンは口説いた女性をモデルプロダクションに紹介するが、その女性の売り上げ金額の 15～20% が “スカウトバック” といって、その女性が稼ぎ続ける限り半永久にスカウトマンに支払われる。前項のの単体女優だったら 230 万円×20%=46 万円の人気企画単体女優だったら 780 万円×20%=156 万円が “スカウトバック” となる。
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暴利だ。
かつて AV 女優はリストカットや心療内科通院歴のある女性が多く、私は日常的に心に傷のある女性を取材していた。何度も抜け道のない心の闇を聞いてしまって頭を抱えた経験があるが、そういう女性は現在の AV 女優の中ではマイノリティになってしまった。
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逆にどこに行ったか不安になる。
過去、AV 女優に病んでいる女性があまりにも多かったことから、たまに「過酷な性搾取をする AV 女優という職業が女性を壊している」といったニュアンスの論調を聞くことがあるが、それは大きな間違いである。
病んでいる女性が症状を抱えることになった理由は、AV 女優として性を売っているからではなく、機能不全家庭で育ったことやイジメ、過保護など幼少時や思春期の経験が原因である。人格障害など深刻な症状を抱えている女性の多くは、親が似たような症状を持つ遺伝だったり性的虐待を受けている。桜一菜も機能不全家庭で育ち、AV 女優になる前から自殺未遂を繰り返すような状態であった。
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確かにこちらのほうが説得力がある。
結果として悪化してしまったケースは決して「性搾取する AV 女優という職業が女性を壊している」わけでなく、「壊れている女性に機会を与えてしまったために、結果としてもっと壊すことになってしまった」という方が正しいのである。
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支出は最低限の金額を挙げただけで 12.5 万円、給与が額面 18 万円手取り 15 万円とすると、2.5 万円しか残らない。これで趣味や交遊費、洋服代をまかなうのは厳しく、完全な貧乏暮らしである。
現在は特別な能力がある者以外はワーキングプアという時代であり、一般的な時給や給料では東京で満足な一人暮らしはできない。大多数の若い女性たちは特別な能力などなく、持っているのは若い肉体だけ。もうちょっと余裕ある生活がしたいのでキャバクラや風俗や AV 女優に走る、という選択が地方出身女性たちの中では普通になされている。地方出身の女性にとっては生活が苦しいというのは死活問題で、カラダを売ることを決意させるのが、決して遊ぶお金やブランド物が欲しいからという欲の問題ではなく、生きるため生活のため。
現在は特別な能力がある者以外はワーキングプアという時代であり、一般的な時給や給料では東京で満足な一人暮らしはできない。大多数の若い女性たちは特別な能力などなく、持っているのは若い肉体だけ。もうちょっと余裕ある生活がしたいのでキャバクラや風俗や AV 女優に走る、という選択が地方出身女性たちの中では普通になされている。地方出身の女性にとっては生活が苦しいというのは死活問題で、カラダを売ることを決意させるのが、決して遊ぶお金やブランド物が欲しいからという欲の問題ではなく、生きるため生活のため。
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足るを知るということが必要だよなあ～。
一時しか満足できない欲のために、この世界を選ぶのはハイリスク・ローリターンだ。
一部の NPO 法人に「売春を貧困女性のセーフティネットに」という動きがあり、アウトローの専売特許であった性風俗への斡旋やモデルプロダクション業務に、将来的に NPO 法人が乗りだしてくる可能性がある。NPO 法人が介入すれば出演料、ギャラの動きは透明化されて女性への還元率は増えるはずである。働く女性も買う男性やメディアも善意の人間ばかりではなく、暴力性を秘めないで運営できるのかというのは微妙だが、歴史的に前例のない NPO 法人という黒船の登場によって労働環境の劇的な改善、進化が繰り広げられるかもしれない。
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そこまで来てるのか。
兎に角、現状を改善できるなら、何でも良いよ。
一般女性が AV 女優と聞いてまず不安を覚えるのが、「(身が) 危険な世界じゃないの?」ということ。好奇心が勝って不安を抱えながら実際に AV 女優になった女性たちは、口を揃えて、「先入観とはまったく違って、安心で安全な世界だった」というニュアンスのことを語る。現在は AV 撮影現場や行きすぎたモデルプロダクションの管理において、身の危険に遭遇することはなく、表向きの労働環境は本当に整備されている。
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事件となって新聞沙汰になるとわいせつ絡みの反社会行為に世間は呆れるが、メーカーや制作者にとっては過激な撮影をするのはユーザーの意見や希望に沿おうという企業努力であり、メーカー間の競争が激しくなるほどギリギリの一線が求められる。非日常的で反社会的なことをするほど売れる可能性が高くなるのは、AV という商品の宿命である。しかし、コンプライアンス遵守の時代の流れを察知して、多少の売り上げを諦めてもその流れに乗るのは、もしものときに失うものがあまりに大きいからである。事件となってしまったら現場のスタッフや女優、代表までが実名報道をされて、撮影素材は発売できないのは当然、その類似ジャンルも廃盤に追い込まれる。
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確かに夫婦/恋人の日常的 sex が一番儲かるなら、誰も過激な作品などつくらないよな。芸術性を求められているわけでわないのだから。
公然わいせつ罪に問われる可能性のある露出の撮影は、目立つので特に危険である。最初の事件発覚から 10 年近く事件を起こし続けているのは、やはりたくさんのお客さんが存在して売れているからといえる。
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それまで AV は映画と同じく “作品” と呼ばれていたが、現在はどれだけユーザーにズリネタを提供できるかの “商品” という意識が徹底されている。個人の創造力や表現力は抑制され、目先の過激で刺激の強い表現ばかりとなった。優秀な職人となった現在の AV 制作者からこれから映画などクリエイターに転身して才能を認められる者は、まずでてこないと思われる。
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以前は AV 業界出身の映画監督が多くいたが、確かに今は殆ど聞かないな
合法の表ビデオか違法の裏ビデオかの判断は、猥褻か猥褻でないか、にある。猥褻かどうかの判断は「社会、文化に対応した一般人の性に関する規範意識を根底に置きながら、社会通念によって相対化」という極めて曖昧なものである
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ソフト・オン・デマンドは 98 年 9 月、森下くるみを 12 本契約という前代未聞の複数本契約でデビューさせて、商品力を向上させるための徹底的な改革を始めた。異業種参入である同社は「お客様第一主義」を貫き、企画発案の段階からユーザーの声を取り入れて、AV に根強く残っていた映像作家の自己満足的な作家性を排除。一本一本丁寧に、作品ではなくお客を満足させる商品を作るようになった。
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映画監督を排出しなくなった遠因でもあるか。
“商品” ではなく、斬新な映像 “作品” を制作していたクリエイターや、問屋との癒着を仕事にしていた営業、単体の疑似本番や甘い考えで仕事をしていた AV 女優など、良いも悪いも吹き飛んでしまう大粛清が繰り広げられた。
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現在、AV 女優になる推定合格率 14% を突破しても、その中の企画の半分は仕事がなく、専業ならば生活にも困る状態である。精神的に問題のある女性はそもそも採用されず数は減っているものの、AV 業界の末端には次の世界が見つけられないでしがみつき、裸の世界でも満足に仕事がない厳しい状況に絶望をして精神状態が悪化、弱っている女性が存在する。うつに代表される精神的にネガティブな状態に陥ると、悩みのループの一端に「死にたい (この世から消滅したい)」という気持ちが浮きあがる。本当に死んでしまう者は、悩みのループのその瞬間に自殺が成功するという傾向がある。実際に自殺をしてしまったのが、人気の高かった美咲沙耶をはじめ、タレント出身でお笑い芸人とセックスしまくっていた麻生美由樹、ジャニーズ喰いと噂された AYA のようにアクティブで行動力や実行力のある女性というのはその傾向の裏付けとなっている。
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良いも悪いもリアルな情報は商品である AV 女優本人には伝わりにくく、撮影現場で性行為を繰り返しているうちに、一般社会が居場所だった頃より刺激の溢れる日常となって感覚が変化する。刺激がある日常が当たり前となって、刺激の薄い一般社会に戻ることを想像できなくなってしまうのである。AV 女優たちの死は自覚のないままに一線を越えてしまって、運の悪かったさらにホンの一部が悲惨な結果を迎える、という構図である。
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それは違うのでは? 格闘家や軍人、鳶職など高所作業者はどうなる?
有名な芸能人が AV に登場する——これ以上の商品力のある企画はない。隠すべきものを提供するエロ表現の最終領域に突入して、ユーザーを満足させ尽くしてしまったことが、お客離れを生み、加えて若者を獲得することができなかったために情報弱者の高齢ユーザーとハードユーザーのみを残すという事態を生んでしまったといえる。現在の AV 不況は無料で情報を得ることのできるインターネットの発達も大きいが、競争の末にレベルを上げすぎたことでユーザーの欲望を消費してしまってお客離れを生んだという一面があることは否めない。
1863
インターネットにいくらでも無修正動画が浮いている時代に、モザイクの薄さを争う不毛な裁判であったが、4 年以上の歳月が費やされてビデ倫の審査員や責任者、摘発された商品を販売したメーカーの代表らに有罪判決が下ってしまった。ビデ倫側は「表現の自由という重大な憲法問題なのに、短絡的発想で『わいせつ性あり』と判断した」と反論している。どこからが猥褻という基準がないので、誰もが納得をする判決は出しようがないのである。
1905
恋愛が原因で AV 女優とモデルプロダクションが辞める、辞めないのトラブルに発展した場合は大変なことになる。人気女優だった場合は数百万円、一千数百万円の損害賠償を請求されても文句は言えず、多額の要求額を支払う、駆け落ちする、事件性があったら警察に駆け込むなど、誰かが血を流さない限り終わりようがないのである。
所属時にキツく言われる「業界内での恋愛禁止」は、面倒なトラブルを起こさないためにも守るにこしたことはない。
1966
ここに職業選択の自由はないな。
かつて「AV 女優の墓場」などと謳われた凌辱シリーズを各社が揃えていたが、それらの一部は殴る蹴る、レイプするなど暴行行為が繰り広げられる本当に AV 女優の墓場であった。出演するのはメーカーを一周してもうこれ以上売れようのないかつて名前が売れていた企画単体や、もともと売れる見込みのない無名の企画女優で、モデルプロダクションは撮影内容の凄惨さをわかっていながら女性を潰すつもりで最後の一稼ぎとして斡旋した。
AV 女優には基本的に演技は期待できない。よほどの能力がないと犯される迫真の演技は無理である。そこでメーカー側はモデルプロダクションだけに凌辱、レイプという撮影内容を伝えて、なにも知らずに撮影現場にやってきた女優を犯す、のである。この手法は “ガチ” と呼ばれている。AV 女優への騙し打ちで本当のレイプを撮影するのは AV の手法の一つで、あらゆるメーカーや AV 監督が頻繁に使っていた。
女性がどんな恐ろしい体験をしてもモデルプロダクションの許可済みであり、メーカー側とはトラブルにはならない。モデルプロダクションが問題視しなければ女性たちは泣き寝入りをするしかなく、ここで初めて自分の AV 女優としての扱いを知って、絶望したり、恐怖を感じたりして消えるように辞めていく。
1981
酷いに尽きる。
AV 女優は自分の裸やセックスを商品にしている以上、利害関係の異なるメーカーやモデルプロダクションからの情報を鵜吞みにせず、客観的な目を持って周囲からの情報は必ず自分のフィルターに通して判断し、自分で自分の身を守るしかないのである。
2034
インターネットの時代になって、売りだされてしまった映像や写真は決して消えることがない。バレる可能性は低いといっても、絶対ではない。たまに新しい職場や新しい人間関係にバレて職場にいられなくなったり、人間関係が破綻したりすることがあるが、それは運が悪かったケースといえる。
どんなに後悔していたとしても「一度やってしまったものはしょうがない」という割り切りが必要なのだ。心の持ち方でどうにでもなる。
2578
逆に割り切れない人はやめておけと。
私が当時の AV 女優さんと違ったのは、「AV を辞めたら苦しくなるから、今どんなにお金を稼いでいても、いつ一般の世界に戻ってもいいような生活をしなさい」って事務所から言われていたことですね。デビューから引退まで、地に足がついていましたから。
2616
小室さんが AV 女優を辞めた後も平穏で充実した “その後” を送ることができたのは、常に世間から眺めたように自分に対して客観性を持っていたことである。現役時代、どんなに人気のあるスターになっても「今だけのこと」という視点を忘れないで生活水準を上げることなく、実現可能な将来を見据えて動いてきた。刹那的な職業である AV 女優のプラスとマイナスを自覚して、自分相応の金銭感覚を維持し、地に足がついていれば、どんな “その後” も送ることができるのである。
2698
裸になった過去はやはり社会的に認められづらいことなので、簡単に AV 女優という道を選ばない方が人生を生きやすいことは確かといえる。
2910
引退後にそのような裸やセックスの写真や映像が残ってしまうことより、深刻なのは「楽に楽しく稼げた」、また「注目されて必要とされた」という裸の世界だからこそ掴むことが可能だった成功体験から抜けられないことにある。一時期の高コストな生活水準が忘れられなくて、普通の仕事はとてもできないと切り替えができない女性は多く、それが AV 女優全体の 3 分の 2 が性風俗に流れている所以である。
2912
「カラダは減るものじゃない」というよく耳にする通説は、誰かに売るという競争がある以上、消費されているので明らかに価値は減っている。
2921
特定のパートナーがいない女性が過半数を占める社会が背景となって、どんどん性的な倫理感が失われている状況を眺めていると、
2928
論理展開が意味不明。特定のパートナーがいないことと、この業界に来ることと、論理関係が有るの? 前述されているように、金銭目的が多いなら、関係ないだろ。
前述したように厳しい競争に勝って AV 女優として活躍した女性は、カラダを消費した代わりに名前に付加価値がついて、しばらくは安泰である。しかし、最も下のヒエラルキーである企画で売れず、それでも自分の女性としての価値を理解しないで性風俗に流れるような女性は惨めな想いをすることになる。それでも建設的に実力をつけて社会貢献する一般社会ではなく、カラダを売る刹那的な世界から抜けられないのが、女性がカラダを使って稼いでしまった成功体験の怖さである。やがて一般社会は別世界と思うようになって、「カラダを売る以外に自分には、なんの能力もない」と思い込み、明日を生きるためにしがみつき、惨めな想いをしながら「堕ちる」ことに慣れてくる。
2931
カラダを売るという職業はプロスポーツ選手のように強制的に選手生命が絶たれるわけでなく、すべて自分の意思で選択ができる。AV からデリヘル、デリヘルから大衆ソープランド、大衆ソープランドから裏風俗、そして自分でお客を見つける個人売春と限りなく、敷居の低い下層は広がっている。一般社会を拒絶してカラダを売る狭い世界に閉じこもる人生には、いつかまったく売れない「終焉」が待っている。売春志願者が激増している現在では、あっという間にそれはやってくる。「終焉」が訪れても、なぜか女性の多くはその「終焉」を認めようとしない。最後の武器を消費し尽くしてしまっても、まだ自分は売れると信じている。それは惨めな青春時代、惨めな人生を送っているということなのだろう。
2938
裸を売ることがリスクでなくなってしまったことと引き換えに、女のカラダは簡単に売れる時代ではなくなったのである。
2954
これから裸を売る世界に足を踏み入れる女性は、外見が優れているうえに才能があってその職業の利点もリスクも知り尽くしていることが望ましい。女性の裸はもの凄い速さで消費されている。いざ足を踏み入れてしまったのなら、気づいたら誰にも相手にされないという惨めな想いをしないためには、気を緩めず自分の裸の価値を常に客観的に眺める必要がある。
2958