随分前から鳥インフルエンザが話題に上がっています。しかしこの異常とも思える恐怖感は何とかなら無いでしょうか?
確かに鳥インフルエンザ・ウイルスが人に感染することがあり、これは数年前に香港で起きて日本でも大きく取り扱われ、ご記憶の方もいらっしゃると思います。またそれ以外にも、昨年オランダで H7 型鳥インフルエンザ・ウイルスが人に感染した例もあります1。
しかしこれらは、鳥の糞によるからの粉塵などを吸引によって起きたと考えられ、主に鳥に直接触れる機会の多い人が感染しています。少なくともインフルエンザ・ウイルスなので空気感染若しくは飛沫感染、つまり鼻/肺/気管支の粘膜からの感染です。ですから飲食に感染は殆ど考えられません。仮に食べるときに、食道と気管支との分岐箇所からウイルスが入る可能性は 0 ではありません。しかし通常鶏肉や卵は、加熱処理をしてから食べます。そしてこの加熱処理でインフルエンザ・ウイルスは死滅します。人がインフルエンザに感染すると熱を出すのは、このインフルエンザ・ウイルスが熱に弱い性質を利用する体の防衛本能です。
卵に到っては、理解を超越した反応です。卵を食べて感染するには、卵の中にウイルスが存在する必要があります。そのためには、「親鳥がインフルエンザなら、卵も感染している」という条件が必要です。しかしこれが成り立つなら「親がインフルエンザなら、生まれた赤ん坊も感染している」もいえるでしょう。更にこれが言えるなら「生まれたての赤ん坊は免疫能力が無いに等しいので、インフルエンザに感染している親から生まれると、高い確率で死ぬ」ことになってしまいますが、そのような話は聞いたことがありません。これは胎盤によって赤ん坊が守られているからです。
そもそも病気や老化は、一つの物に注意しても無駄です。極端な話、人が生きていく上で必ず必要な酸素も毒性があり、老化の原因にもなります。「酸素は有用であるが、インフルエンザ・ウイルスはそうでない」と思われるかもしれませんが、それなら経済的な観点を無視すると「百害あって一利無し」加えて中毒性もあるタバコ3はどうでしょうか?
話が変わるようですが、「住民基本台帳カードの本人確認が不徹底で、他人がカードを取得した」というニュースも大きな扱いです。しかしこれはネットワークに侵入した等の住民基本台帳ネットワーク特有の仕組みに関わる問題ではなく、単に窓口での本人確認がいい加減だということです。つまりこれは、住民票など役所が発行するほかの書類でも全く同じことで、「今までも同じように他人がこれらの情報を取得できた」ということで、住民基本台帳だからニュースにするのではなく、本人確認のいい加減さこそ問題にすべきではないでしょうか? 今の社会の仕組みでは、住民基本台帳には、ではそれほどの情報の記載は無いので実害はそれほど大きくなりようが無いのに対して、住民票を取得できてしまえば、免許証などあらゆる書類が入手できしてまう等成り済ましができてしまうんですよ。
つまり、最近のニュースを見ていて、目先のはでな部分に目を奪われることなく、身の回り全体にわたってバランス良く物事を考える必要があると考えるのです。ですからたとえここで私が書いたことが間違っている事が、今後仮に解ったとしても、(脚注の 2 つも含め) 現在の状況はバランスを欠いている、と思うのです。
- こちらでは時期的に SARS と重なっていたために、日本では殆ど報道されませんでした。
- タバコは合法ですが、使い方によっては薬効効果もあり、中毒性もタバコと同等か若しくはより少ない大麻は、医学/科学的な根拠も無いまま、麻薬の扱いで、吸引はもちろん栽培すら違法です。摂取したときの精神状態を問題にするなら、アルコールも同じですから、やはり医学/科学的な根拠は乏しいです。更に大麻は茎から良質の繊維を取り出せるなど、他にも色々有益性があります。