『マーサの幸せレシピ』と『幸せのレシピ』を纏めて観る。
『幸せのレシピ』は、ドイツ映画『マーサの幸せレシピ』のハリウッドによるリメイクです。
話は、レストランで第一シェフを務める少し気難しく神経質な女性が、交通事故で亡くなった姉の子供 (女の子) を引き取るところから始まります。そんな折、レストランに第二シェフとして、女性と全く異なる性格、陽気な男性がやってきます。そしてこの陽気な男と触れ合ううちに、女性と女の子の関係が良くなっていき、はじめ険悪だった女性と男性の関係も変わっていくといった内容です。
リメイクなので、大筋は同じですが、幾つか変わっている部分が有ります。
- 女性ははっきりとものを言う人に
- 女の子は、よい子に
世話をしている女性より、余程人の心を斟酌して、人の心の解る子です。幸せの一ページに出ている可愛らしい子やが演じているので、そのせいかもしれません。原作はもっと内向的で、内に籠もって考え込むタイプです。
- 男性はいい加減で、大らかな部分が少なくなっている
- 主人公である女性が料理を学んだのが父から母に
父については「何もしなかった」といい、男性についてより強い抵抗感の遠因になっているような描き方が有ります。
- 所々、カットの順序が変わっていたり、エピソードが無くなっている
しかしというか、当然というかヨーロッパとハリウッドでは随分映画の表現方法が異なります。
オリジナルは大げさな演技も無く、表情の変化も小さいのですが、それによって却って情感が伝わってきます。それに比べて、リメイクは、ハリウッドらしくひたすら明るいです。またオリジナルは女性と女の子がどのようの関係を作っていくか? が中心ですが、リメイクはこれまたハリウッドらしく、女性と男性の恋物語が中心に変化しています。
個人的には、見た後に心が温まってくるオリジナルが好きですし、DVD 等を買って何度も見たくなるのはこちらです。しかし興行的にあたるのはリメイクでしょうね。何だかんだ言っても、ハリウッドは演出、テンポの取り方が上手く、映画の世界にスッと入っていけます。