『沈まぬ太陽』を観てきました。正直期待して観に行き、それなりに良い映画だとは思ったのですが、最近の渡辺謙さん主演の映画としては、『明日の記憶』『硫黄島からの手紙』の方が好きですね。
近年では珍しく間にインターミッションが入る 202 分の大作ですが、それでも文庫本で 2000 ページにも及ぶ作品をこれだけの時間に纏めるのは無理があったのかもしれません。
またこれに限らないのですが、私は山崎豊子さんの作品の登場人物って、共感できる人物が現れないんですよね(^^;。今回の作品で言えば、主人公の恩地の様に強くもなれないし、恩地を裏切り出世を目指す行天の様に、(少なくとも表面上だけでも) 自己の栄達の為に邁進することもできません。清濁・善悪のバランスの中でふらふらする人物が少ないんですよね(^^;。
人物への共感という意味でも、演技の自然さという意味でも、渡辺謙さんより、恩地の息子役を演じている柏原崇さんの方が印象に残りました。他の作品と比較すると、表情がパターン化している嫌いはありますが。