今年 New York Yankees の Mariano Rivera 選手が引退し、これで Major League で背番号を 42 に持つ選手は居なくなり、今後も現れない。なぜなら 42 は Major League 全チームで永久欠番になっているため。
これはこの映画『42—世界を変えた男』の主人公、Major League 最初の黒人選手 Jackie Robinson に由来し、映画冒頭でも紹介されるが、毎年 4 月 15 日には、全選手が 42 番を付けてプレーする。
映画はこの Jackie Robinson が Major Leaguer となり、チームメイトに認められるまでを描く。
Jackie Robinson を Brooklyn Dodgers (現 LA Dodgers) に引き入れる GM 演じる Branch Rickey 演じる Harrison Ford 縁起が印象に残る。またストーリー自体も、観客に感動を呼び覚ます良くできた作品。
この映画を見るまで、Jackie Robinson が、UCLA に学び、(映画では触れられていないが、自ら退学を選び卒業はしていない) 軍では少尉・将校になった、いわばエリートだったとは知らなかった。
ただ、
- 当時のアメリカでは、歴然として黒人差別が残っていた事
- 当時は Major とは別に、実力ではそれ以上とも言われる黒人リーグがあった事
(映画で年を取りすぎているとして、除外される Satchel Paige は 1930 年の Major 交流戦で、22 奪三振完封し、Major 入団が叶うのはなんと 42 才だが、通算 28勝31敗、防御率3.29) - Rickey が実力だけでなく、将来性と人間性を考慮して、Jackie を最初の黒人 Major 選手として選んだ事
といった予備知識があると、つまり話の落ちを知ってしまっていて、感動が薄れてしまった。
もう少し、当時の差別の酷さやどの様に立ち向かったのか? のエピソードをが欲しかった。前者は、そういった描写自体をすると、多くの劇場で公開できない制限等がかかり、難しいのかも知れないが。