ジブリの新作『思い出のマーニー』を観てきた。
主題は少女の成長物語で、その点は『千と千尋の神隠し』と重なるが、
- こちらの主人公は、自分の気持ちを上手く表現できない思春期
- そしてその気持ちを自分自身もてあましている
- ダブル・ヒロインという点
が異なる。
話の筋としては、喘息持ちで、早くに両親を事故でなくし、親類に引き取られた女の子が、ふとして事で周りに心を閉ざしてしまっている。その彼女が、療養先の田舎での不思議な体験をきっかけに、心を開き、成長し大人の入り口に立つといった内容。
(本当は体験ではないのだが、ネタバレになるので伏せておく)
ジブリ作品らしく良くできているが、ただ
- 同じ米林監督の、『借りぐらしのアリエッティ』と同じく、食事のシーンや物の動きに不自然さが残る
- 両ヒロイン以外の殆どの登場人物のアフレコが、有名な俳優さんばかりが起用されているので、その俳優さんの顔がちらついてしまう
これについては、高畑・宮崎両監督との力量の差かな。
後は 103 分というのは短すぎるのかも。もう少し主人公の成長を丁寧に、時間をかけて描いたほうが良かった気がする。