最も親しまれた向精神薬ともいえるコーヒーに幻覚作用があるかもしれないという研究結果が発表された。
良く知られているように、カフェインには眠気を緩和する覚醒効果があるので、別にそれ程驚くことでもない。
ただこの研究リーダの話がとてもよい。
非常に興味深い相関関係が明らかになったが、因果関係の特定には注意が必要だ。今回の研究は必ずしも、“カフェインが幻覚を引き起こす”ことを示すものではない。データから考えればこのような推論は妥当だと考えているが、“幻覚症状を持つ人は不安や心配事が多いため、消費するカフェインの量が増える”という逆の因果関係の可能性もある
つまり、おそらくは自分たちが予測していたであろう結果 (そもそもそのように予想しなければ、このような事は調べなかったはず) と、実際の結果が一致はしていたにも関わらず、直ちに「A が B を増やす」とは考えていない。
人は A と B に相関関係が有ると、自分の過去の経験と照らし合わせて、「A が B の原因である」若しくはその逆に「A の原因が B である」と考えがちで有るが、必ずしもそうではない。「A と B に共通する別の原因 C が有り、その為結果的に A と B が直接関係している様に見える」事もあれば、単なる偶然という事もあるのだ。