当時単観上映で始まり、最終的にはその都市のアニメーション関係の章を総なめにした『時をかける少女』の新作ということで、『サマーウォーズ』を観てきました。
結論から書けば、メチャメチャ面白い。しかも欠点らしい欠点も殆ど見当たらない。しかも、アニメーションかどうかとは関係が無く、作品として質も高い。あえて欠点を言えば、アニメーションでありながら、全年齢推奨とはならず、小学校高学年、ちゃんと楽しむとなると、中学生以降推奨になってしまうという点ぐらいか。
ある意味『劔岳 点の記』と真逆。この映画も好きだし質も高い。しかし、この映画が描いているのは「山に挑んだ男たち」の一点に尽きる。
それに対して、こちら『サマーウォーズ』は、
- 仮想世界と現実世界の結びつき
- 家族
- 友情
- 恋愛模様
- 人は何のために生きるのか?
- 人が幸せを掴もうとする時に潜む危うさ
等、いろいろ詰め込んでいる。しかし上映時間は、1 h 54 m と 2 時間に満たない。これはひとえに、無駄が無いことによる。前半に現れた脈絡の無いものが、必ず後に繋がっている。
あとヒロインの曾祖母の声優を担当する富司純子さんが、混乱を生き抜いてきた明治女性 (設定としては大正末期なのだが、大正女性ではピンと来ない) の強さ・したたかさを上手く表現している。