やっと『それでも夜は明ける』を観てきた。
アフリカ系アメリカ人がアカデミー監督賞を受賞したのは、本作が初めてらしい。
題材としては、昨年の『ジャンゴ 繋がれざる者』と同じく、奴隷制度の理不尽・不条理を描いている。どちらも、
- 自由を得ている
- 奴隷を所有する
も黒人もいる事まで描いているのが、これまでの作品とは違う点。
本作の特徴は、これらに加えて、
- 生まれたときからの奴隷が自由を勝ち取る物語なのではない
- 自由黒人であった主人公が騙されて奴隷にされ、再び自由を得る
- 主人公は、その過酷な状況に自ら主体的に立ち向かうことはほとんど無い
- そもそも自ら立ち向かえるような状況に、当時の黒人奴隷は置かれてない
が描かれている。
どんな過酷な状況でも諦めない、を伝える作品として評価できる。
しかし物語の最後に綴られる後日談を観ると、騙して者が結局罰せられていないのは、理不尽・不条理に拍車を掛ける。